2022年の活動

2022年1217-18日 「SDGsをもっと知ろう!」に参加しました。

 1217日と18日に開催された「SDGsをもっと知ろう!」イベントに参加しました。富士市SDGs実践パートナー:FSPP さんの主催で、企業や個人などさまざまな団体のSDGs活動を紹介するイベントです。先月12-13日に開催されたイベントの第二弾です。
日時:12月17-18日, 10時~17
場所:イオンタウン富士南店

 今回は先日の三宅島でのザトウクジラの生態撮影動画と合わせて、ザトウクジラの胸鰭の骨格を展示することにしました。胸鰭だけでも2m以上あり、映像だけでは伝わりづらい「鯨の大きさ」を実感してもらえるようにしました。合わせてハンドウイルカの全身骨格も展示し、ヒゲクジラとハクジラの違いや共通点について学べる場にしました。さらに国立科学博物館の田島木綿子先生と山田格先生のご厚意で、展示の解説や学術的なお話もしていただきました。

 骨格だけでなく、漂着したクジラの胃の中から見つかったプラスチックなども展示しました。我々の生活と鯨の関係について考える機会になればと思います。漂着したクジラからは他にも食性や病気の有無、環境汚染物質の動態などさまざまなことがわかることも解説しました。FSNはひき続きストランディング鯨類を通じて、海と環境を理解していきたいと思います。

2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

2022年12月10-13日 三宅島クジラ鼻水プロジェクトの調査に参加しました。

 「三宅島クジラ鼻水プロジェクト」は、東京都三宅島で数年前から突如観察されるようになったザトウクジラを対象に、鯨の生態や地球環境に関する知見を得ることを目的としたプロジェクトです(三宅島クジラ鼻水プロジェクト )。本プロジェクトにFSN松本もドローン担当班の一人として参加しました。

 天候の心配はありましたが、調査を行った三日間とも沢山のザトウクジラを観察できました。親子連れと思われるペアが多かったですが、時折オスと思われる大きな個体が近付く場面も見られました。またザトウクジラのブリーチングやテイルスラップ、ペックスラップなどダイナミックな行動も多数観察できました。

 肝心のブローも無事採取でき、現在分析中とのことです。今回は予備調査という位置づけで、来年上旬にまた調査に向かいます。今回の調査内容を基に、より体系的な調査を行います。

 ザトウクジラは静岡県の沿岸にもストランディングすることがあります。ストランディング個体も含めてクジラたちがどこから来たのか、静岡や日本の沿岸がクジラたちにとってどういう環境であるのかなど、明らかにしていきたいですね。

前列右から二番目が松本です。

2022年12月7日 清水港のミナミハンドウを空撮しました。

 清水港には現在もミナミハンドウイルカの集団が定住しています。生態観察のため、関係各局の許可を得て、所定の条件下でドローンによる空撮を行いました。

 この日は港内の透明度が低く、少し潜られるとすぐに見えなくなってしまうのですが、確認できた限りでは5頭が見つかりました。

 港内は船の往来も多いので、数年前に観察された当初は心配していましたが、すっかり居ついているようです。FSNでは駿河湾、静岡県沿岸での鯨類の生態調査や彼らの実態に関する教育普及活動にも取り組んでいきたいと思います。

2022年122 軽トラックの改造

 ストランディング対応で使っている軽トラにクレーンを取り付けました。2~3mぐらいの小型鯨類であれば軽トラでも十分運搬できるのですが、そのぐらいのサイズでも種類によっては200kgを越えることがあります。そのため漂着場所が堤防や崖下だと、人力で引き揚げるのは大変です。

 重量屋のノウハウを活かして、ストランディング対応に有用な資材機材を日々アップグレードしています。

2022年11月27日 FRP模型の補修を行っています。

 某所に設置されていたシャチの模型が経年劣化を迎えており、補修を行うことになりました。補修後はさらに別機関での展示を予定しています。

 模型はFRPという樹脂でできています。側面を開けてみると、内部の損耗が進んでいることがわかりました。床置き、吊り下げのどちらにも対応できるよう強度を計算しつつ、破損した部分を補強していきます。

 FSNではジオラマや模型の補修も行っています。ストランディング個体の調査や解体で学んだ解剖学や骨学、野生や飼育されている鯨類の観察にもとづいて、実物の鯨になるべく近い形で復元や彩色を行います。直したい展示や造形物がありましたらお問い合わせください。

2022年11月19日 FSNの鯨

 日本国内には鯨の骨で作られた橋や鳥居があり、欧米にも捕鯨に縁のある地域では鯨の骨を使ったモニュメントがあります。巨大な鯨の骨は、それだけで畏敬の念を覚えます。先日の漂着鯨死体の解体で、所定の届を提出して鯨骨を引き取ってきました。見学に来られた方に鯨の大きさを実感してもらえるよう、また鯨をより身近な存在として感じてもらえるように、FSN作業場の傍に設置しました。

 FSNは死んでしまった鯨類、哺乳類の解剖調査、学術教育活動の目的で骨格の標本化を行っています。

命あるもの、なぜ死んでしまったのか?

あらゆる病理学的アプローチからの研究にサンプルを提供しています。

 骨格は、美しい!

同じ哺乳類としての共通点、比較解剖学の視点から、それぞれ違う種や個体間での違い、毎回勉強になります。

 鯨塚、この地は水神社の土地になり、本宮は富士宮浅間神社。火の神様、水の神様に守られたこの地に、鯨他哺乳類の供養として塚を建てました。鯨類、哺乳類、亡くなってしまった個体の供養。ここに思いを寄せて、関係者他、皆様に怪我の無いよう、毎日お祈りしております。

2022年11月13日 作成中の骨格標本の洗浄作業を行いました。

動物の骨を骨格標本にするには、骨に含まれるたんぱく質や脂肪分を除去する必要があります。いくつか方法がありますが、FSNでは低温で煮ることで骨を標本にしています。煮るといっても60℃程度の低温で、数週間かけてじっくりと骨に含まれる余分なものを分解していきます。

その途中で、分解して出てきた有機物(煮物をすると出てくる、”アク”みたいなもの)をときどき洗い流してやる必要があります。とくに大型哺乳類は骨に含まれる脂肪分が尋常でないので大変です。

今回はマッコウクジラとサイの骨格の洗浄作業を行いました。高圧洗浄機を使って、骨にくっつくアクを飛ばしていきます。骨についた筋肉や腱なども、煮ることではがれやすくなるのでこの時に一緒に飛ばしてしまいます。その後、水を変えてふたたび煮込みます。

FSNでは各種作業のボランティアも募集しています。興味のある方はご連絡ください。
富士ストランディングネットワーク ボランティアスタッフの募集 

2022年11月12-13日 「みんなのSDGs宣言」に参加しました。

11月12日と13日に開催された「みんなのSDGs宣言発表会」に参加しました。
富士市SDGs実践パートナー:FSPP さんの主催で、企業や個人などさまざまな団体のSDGs活動を紹介するイベントです。
日時:11月12-13日, 12時~15時
場所:イオンタウン富士南店

FSNからは静岡県沼津市に漂着したニタリクジラの下顎骨と椎骨を持っていきました。鯨の大きさを体験してもらえるよう、持ち上げたり並んで写真を撮ったり、自由に触っても良い展示としました。またストランディング鯨類の胃の中からプラスチックが見つかった話など、海洋汚染についても紹介しました。

今回は66組の方が見学に来られたそうで、鯨の住む海を身近に感じてもらえていれば幸いです。来月にも同様のイベントを開催するそうなので、引き続きストランディングや鯨類について紹介、展示できればと思います。

富士市SDGs実践パートナー fuji-sdgs-pp.jimdofree.com/ 

2022年10月15日 放課後デイサービスのこどもたちを対象に見学イベントを開きました。

10月15日土曜日に、放課後デイサービスのこどもたち約30人が作業場と標本の見学に来られました。駿河湾に生息する鯨類やストランディングについて解説し、本物の鯨のひげ板や骨に触ってもらい、鯨の大きさを感じてもらいました。

FSNはストランディングの現場作業や標本作成を主な業務としていますが、今後は作成した標本をもとに、鯨や駿河湾の自然環境に関する教育・啓発活動にも参画していきたいと思います

FSNの見学は事前にご連絡いただければ対応いたします(要 日程調整)。

連絡先:fsn@kujira110.net


2022年9月26日 倉敷市立自然史博物館にニタリクジラの骨格標本を納品しました。

2021年9月20日に岡山県倉敷市で発見されたニタリクジラの骨格標本を作製し、倉敷市立自然史博物館に納品しました。この個体の引き上げ、調査、解体については 2021年活動報告 をご覧ください。

動物の骨格標本は、大きな動物でも一つ一つの骨を取り出せばそれなりに持ち運ぶことができます。しかしヒゲクジラ類ともなると、とくに頭骨は巨大な塊のまま運ぶしかありません。今回、倉敷市立自然史博物館に納品するにあたり、頭骨はエレベーターや階段経由で展示室へ搬入できないほどの大きさだったため、クレーンで3階非常口から運び込みました。この時の頭骨の重さは約180kg,下顎骨と土台を含めて総重量約280kg。大型クジラは標本になった後も運ぶだけでも一苦労です。
https://www.instagram.com/p/Ci9M6farpHg/?igshid=MDJmNzVkMjY%3D
https://twitter.com/isanaya223/status/1574213474645057536

10月10日から特別展示で公開されます。この個体の標本やクジラについてのさまざまな展示や解説がありますので、ぜひ足をお運びください。

倉敷市立自然史博物館 特別企画展「倉敷にクジラがやってきた!」
https://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/spexhibition/2022/kujira/kujira.html



倉敷Bbr搬入.mp4

2022年8月23日(火) 神奈川県小田原市でアカボウクジラの解体撤去を行いました。

8月20日に神奈川県小田原市石橋でアカボウクジラのストランディングが発生しました。
www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220821/1000083924.html
ちょうどマッコウクジラの発掘をしているときにストランディングの情報が入り、下見に行ったところオスのアカボウクジラで体長は約5.7mでした。土曜日の夕方だったのでその日は撤収し、県や市と調整して23日に撤去を行いました。

種名:アカボウクジラ  Ziphius cavirostris
発見日:2022年8月20日(土)
撤去日:2022年8月23日(火)
漂着場所:神奈川県小田原市石橋
漂着状況:死骸が海岸に漂着。発見時は新鮮だったが撤去時には腐敗して膨張。研究者による解剖が行われ、残滓を処分場に運搬。
性別:オス
体長:約5.7m

オスのアカボウクジラはストランディング事例が少なく貴重な標本になるということで、博物館の研究者や獣医学生による解剖調査も行われることになりました。重機が入れない現場なので解剖はすべて人力で行います。晴れの海岸はとても暑く、また岩場で足元の悪い中で作業する研究者さんの視線には鬼気迫るものがあります。朝8時から研究者など15人で始めて、13時ごろに潮が満ちてきたのと熱中症の恐れがあるので終了しました。解剖中に動脈硬化の症状が見つかるなど、アカボウクジラの生態やストランディングの原因にも迫る発見がありました。

もとの鯨全体で1トン以上はあると思われ、骨格や臓器の一部は研究材料として博物館に運び、残りの肉や臓器などの解体残滓はフレコンバッグに詰めて処分場へ運搬します。現場は交通量の多い道路に面した崖下だったため、夜間に通行規制をしてクレーンでフレコンバッグごとトラックに積んで処分場へ運びました。




2022年8月20日(土) 神奈川県小田原市でマッコウクジラの発掘を行いました。

クジラの骨格標本を作る方法の一つに、砂浜にしばらく埋めて肉や脂を腐らせて除去するというものがあります。2021年9月に神奈川県小田原市でマッコウクジラが打ちあがった際、その頭骨を骨格標本にするため埋めておきました。今回は神奈川県立生命の星・地球博物館の依頼を受けて、1年ほど経過した頭骨の発掘を行いました。

このマッコウクジラは体長約15mで、博物館など研究機関の調査を経て解体、埋却処分されました。その時の記録を見ながら、埋まっている場所を確認して重機で慎重に掘り返していきます。

頭骨の一部が見え始めると、人力でスコップやジョレンを使って周りの砂をどかしていきます。天気に恵まれたのはいいのですが熱中症に気をつけて作業していきます。

頭骨の全体像が見えてくると、重機を使って穴から引き揚げます。頭骨はいくつかの骨が組み合わさってできており、また鯨の骨は大きさの割にもろいため、引き揚げる際に気を付けないとバラバラになってしまいます。今回のマッコウクジラは漂着時点ですでに頭骨の右半分が破損しており、さらに埋めている間にもいくつかのパーツが外れていました。前頭骨が外れてしまったので修復が必要です。

掘り出した骨はトラックに載せて富士市のFSN倉庫へ運び、大型晒骨槽に沈めて洗剤で処理していきます。掘り返しの手間や破損のリスクを考えると、最初から晒骨槽で処理していった方が良いかもしれません。次回、マッコウクジラの頭骨標本を作製する機会があれば、破損のない完全な頭骨標本作りに挑戦してみたいですね。

2022年7月23日(土)-24日(日) クジラ内臓のプラスティネーション標本を作製しました。

プラスティネーション標本とは、生体組織の水分をシリコンなどの樹脂と置換した標本です。常温、乾燥状態での長期保存が可能であり、変形や変色が起きにくいため軟組織(内臓や筋肉など)の保存に適しています。しかし非常に手間がかかるのが難点です。

今回は過去にストランディングし、解剖調査を行った鯨類の臓器の一部をプラスティネーション標本にする作業を行いました。大まかな工程は
 ①採取した組織をアセトンに漬けて水分を置換する
 ②融解したシリコンに漬ける
 ③真空ポンプをつかって組織の中のアセトンを揮発させ、シリコンを含浸させる
 ④周囲に付着したシリコンを綺麗にふき取り、形を整える
となりますが、今日は④の部分、最終工程です。

FSNボランティア数名とともに作業しました。FSNでは普段、骨格を主に扱っているのでこのような作業は不慣れですが、ボランティアの中には臓器や筋肉に詳しい学生さんや研究者さんもいるので大変助かっています。

2022年7月9日(土)静岡県沼津市戸田に漂着したクジラの解体撤去を行いました。

種名:ニタリクジラ  Balaenoptera brydei
発見日:2022年6月25日(土)午前
漂着場所:静岡県沼津市戸田  御浜岬の西側
漂着状況:死骸が海岸に漂着。高度に腐敗しており背鰭から後方が椎骨ごと欠損。岩場に漂着したためしばらく放置されていたが、7月9日に撤去し沼津市クリーンセンターにて焼却処分した。
性別:不明
体長:上顎先端〜背鰭まででおよそ8m。欠損する前の推定全長は12m。


静岡県伊豆半島の観光地にニタリクジラの死骸が漂着しました。漂着時点でかなり腐敗していましたが、現場は岩だらけの海岸だったため重機が入れず、また台風が来たため対応が遅れるうちにどんどん腐敗が進んでいきました。漂着時点ではクジラの前半分が残っていましたが、撤去時には頭骨など大きな骨が脱落して海岸に散らばり、皮や骨を含んだ7m推定500kg以上の肉塊が残っていました。

撤去のためFSNボランティア16名と0.4立方バックホー1台で散らばった骨の回収と肉塊を細かく分割する作業を行い、パッカー車に積んで焼却施設へ運搬しました。朝8時半から始めて16時に撤収、炎天下での作業でしたが事故もなく無事に終了しました。

この個体からはDNA分析と環境汚染分析用に皮と筋肉を採取し、国立科学博物館に提供しました。



2022年64-5日 日本セトロジー研究会を開催しました。

 セトロジーとは鯨類学のことです。日本セトロジー研究会は専門家から一般愛好家まで、まさざまな人々が交流し、クジラやイルカに関わるあらゆる学問について研究・情報収集するネットワークです。

 日本セトロジー研究会ホームページ 

毎年、日本各地で会員が一同に集まって研究活動の報告や情報交換を行っています。今年は発足以来初めてとなる静岡県での開催で、富士ストランディングネットワークが主催しました。

 富士市交流プラザにて6月4日と5日の二日間にわたって研究会を開催しました。4日は東海大学の大泉教授と伊豆三津シーパラダイスの香山獣医師を招待し、公開講演を行っていただきました。5日は一般会員による研究発表会で、27演題の発表が行われました。4日の夜には懇親会も開催し、会員同士の情報交換や富士市のお酒や食事を楽しんでいただきました。6日にはエクスカーションとして清水港遊覧船に乗船し、港内に住み着いているミナミハンドウイルカの観察を行いました。

 コロナ禍により3年ぶりの対面開催となり、主催にあたって不安もありましたが、終わってみれば総参加者数は122名と非常に多くの会員、非会員、市民の方にご参加いただき、無事に閉幕となりホッとしています。富士ストランディングネットワークはこれからもセトロジーの発展と普及に努めてまいります。

 今回の大会開催報告を日本セトロジー研究会のニューズレターに投稿し、第41号(2022-12-25発行)に掲載されました。



2022年5月15日(日)マッコウクジラ幼獣の標本作成を行いました。

マッコウクジラは大きくなるとオスで体長18m、メスで12mにもなる最大のハクジラで、歯を持つ生き物では世界最大の種と言われています。

そんなマッコウクジラは生まれたての幼獣でも体長4mほどもあります。千葉県に打ちあがったこの幼獣は、博物館からの依頼を請けて骨格標本を作製することになりました。冷凍状態でFSN倉庫まで運び、ボランティアの方たちとともに骨に付着する肉を取り除きます(除肉)。ある程度手作業で肉を取り除いたのち、水に晒して残った肉や脂を微生物の力を借りて分解します(晒骨)。

マッコウクジラに限らず、どんな大型動物も幼獣のうちは骨に軟骨の部分が多く、除肉中に間違って骨も切ってしまったり、晒骨を長くやりすぎて骨まで溶けてしまったりします。動物の骨や筋肉の付き方をよく理解し、晒骨中にも定期的に骨の状態を観察するなど知識と細やかな気配りが大切です。

下の写真は流血シーンを含むため、少し彩度を落としています。
苦手な方はご注意ください。

2022年125日(スジイルカ1頭の埋却処理を行いました。

種名:スジイルカ  Stenella coeruleoalba
発見日:2022年1月24日(
漂着場所:静岡県榛原郡吉田町住吉
漂着状況:死骸が海岸に漂着。高度腐敗。県から連絡を受け、FSNで個体を調査し現地に埋却。
性別:オス
体長:腐敗しており正確な値は不明

体型や歯の形からスジイルカと同定しました。死骸の表面には丸い穴がいくつか開いていますが、これはダルマザメという深海ザメの捕食痕だと思われます。ダルマザメは小型のサメで、自分より大きなイルカやクジラ、マグロなどに噛みつき、肉をかじり取って逃げていきます。かじられた側にとっては致命傷にはならないので、そのうちに治って丸い痕となって残ります。
この個体についた傷はおそらく死後、ダルマザメにかじられたものと思います。