2020年の活動

2020年6月2日 福井県美方郡美浜町に漂着したナガスクジラの骨格標本を作製しました。

 2020年5月26日、福井県三方郡美浜町で体長およそ18mのナガスクジラの死骸が発見されました。この個体は6月2日に福井県立恐竜博物館と国立科学博物館の主導により解剖調査され、その後は骨格の約半分を砂浜に埋め、頭部を含む残り半分をFSNの大型晒骨槽を使って骨格標本にしました。

 晒骨槽の寸法は長さ5m×幅3m×深さ2.5m(容積30t)、今回のナガスクジラは国内でストランディングした鯨類のなかでも最大級。頭骨は槽に入るギリギリの大きさでした。幸い、深さは十分に確保できたので隙間に背骨や肋骨など他の骨を入れていき、持ち帰ったすべての骨を晒骨することができました。

 生分解性の洗浄剤を使用し、40℃の温水曝気にて酸素を供給することで水の中のバクテリアが活性化、骨に付着したタンパク質を分解します。約1ヶ月後に水を交換し汚泥を洗浄。再び洗浄剤を使用し、60℃の温水曝気にて骨の中の脂肪分を分解していきます。さらに約1ヶ月後に水を交換して汚泥を洗浄。矯正乾燥養生にて経過観察後、骨の強化処理、補強補修を行い、綺麗な状態にして分離骨格標本として福井県立恐竜博物館に納品しました。

福井県立恐竜博物館2021年春季企画展「生命(いのち)躍る海〜その知られざる世界を探る!〜」で展示、一般公開されました。

準備中です。順次アップロードしていきます。